ローヌワインとは、同じローヌ地方でも北部と南部では気候、地形、ぶどう品種が異なり、味わいもガラッと変わります。
また、今となっては珍しい黒ぶどうと白ぶどうのブレンドが認められている地区もあり、甘口ワインを造っている地域もあります。「ローヌワイン」と一括りにできない奥深さを勉強しましょう!
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ローヌ地方の北部・・・「焼けた○○○」?
ローヌの北部にはその気候ゆえ「焼けた○○○」という地区が存在します。「コート・ロティ=焼けた丘」「コルナス=焼けた大地」このような地名が付けられることからも想像できるようにこの北部は日照量が大変多い地域なのです。
しかも、北部のぶどう畑は急斜面であることが多く、太陽が燦燦と照り付けます。また、造られるワインに関しても単一品種で造られることが多いのが特徴です。
赤ワイン用の品種、シラーはあまりにも強烈なので・・・?
北部の栽培ぶどう品種はこんな感じです。
→赤ワイン用の品種:シラー
→白ワイン用の品種:ヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌ
この中でシラーの特徴はずばり「スパイシー&パワフル」。渋み成分のタンニンと酸が強烈、かなりグッときます。だから今となっては珍しい黒ぶどうと白ぶどうのブレンドが認められている地区があるのです。(ですが、今は醸造技術の進歩から白ぶどうをブレンドしている生産者は少なくなってきています)
北部におけるその地区とは「コート・ロティ」「エルミタージュ」の2か所となっています。
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フランス五大白ワインってご存知ですか?
その歴史的な名声、品質の高さゆえ「フランス五大白ワイン」と呼ばれるワインがあります。その内の一つがローヌ地方にあります。
「ブルゴーニュ地方のモンラッシェ」「ボルドー地方のシャトー・ディケム」
「ロワール地方のクール・ド・セラン」「ジュラ地方のシャトー・シャロン」
そして「ローヌ地方のシャトー・グリエ」(=焼け焦げた城、ローヌ北部のワインです)
ヴィオニエというぶどう品種100%で造られるワイン。白い花束の香りや蜂蜜のような濃密な香りが特徴、ヴィオニエで造られるワインは他にもありますが、このワインは別格。
これだけのワインを揃えようとしたら、相当な価格になりますが、教養として知っておくといいかも知れません。
ローヌ北部のエルミタージュでは藁の上で陰干し。手間暇かかっています。
ローヌ北部の「エルミタージュ」という地域では、収穫したぶどうを藁の上で最低6週間もの時間をかけ陰干しして水分を飛ばし糖度を凝縮させた後に、ゆっくりと1年近く発酵、2~5年かけて熟成させた天然甘口ワインが存在します。
このワインのことを「ヴァン・ド・パイユ」と言います。この手法で造られるワインはフランスにおいてローヌ地方の他はジュラ地方だけでしか造られていません。
ローヌ地方の南部・・・いろいろブレンドしています。
南部は北部の急斜面と違い丘陵地帯が広がります。また、複数のぶどうをブレンドすることでワインを造ります。(北部もブレンドしていますよって・・・そんな比ではありません)
→赤ワイン用の品種:
グルナッシュ、シラー、ムールヴェドル、サンソー、カリニャン、テレ・ノワール
→白ワイン用の品種:
グルナッシュ・ブラン、マルサンヌ、ルーサンヌ、クレレット、ブールブーラン、ピクプール、ユニ・ブラン
ただの石ころだけど・・・? 実はいい役割を果たしています!
南部の特徴として小石や大きい丸い石が畑のそこらでゴロゴロしています。実はこの石は日中の陽射しを蓄えるので、日が沈んでも蓄えた熱でぶどうの樹を暖め、ぶどうが凝縮され力強いワインが生まれます。
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法王様、それは多すぎなのでは・・・。「法王のワイン」とは?
ローヌ南部地方を代表する「シャトーヌフ・デュ・パプ」という地域があります。ここは14世紀にアヴィニョンに法王庁が移された際にローマ法王の居城がここに建てられ「シャトーヌフ・デュ・パプ(=法王の新しい城)」と呼ばれるようになり、ここで造られていたワインはローマ法王に献上されていた「法王のワイン」なのです。
ここのワインの特徴は何と言っても、このワインのために使用してもよいと認められたぶどう品種の数・・・13種類も認められているのです!
ここまで多いと同じ銘柄でも造り手さん次第で味わいはガラッと変わるのは簡単に想像できますよね。(さすがに13種類もの品種全てを使用している造り手は少なくなってきていますけど)
法王様だけでなく王様もいます
ローヌ南部の中心部に近い「タヴェル」という地域があります。ここではロゼワインしか造りません。ここでは黒ぶどうのグルナッシュを主とした力強くしっかりした味わいのロゼワインが造られ「ロゼの王様」と呼ばれています。
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味わいの特徴
「ローヌ北部:赤ワインの特徴」
カシス、木苺、ブラックチェリー、紅茶のような香り、ちょっと動物的な香りもあります。シラーの特徴であるパワフルでスパイシーな印象がありますが、綺麗な酸が全体をキュッとバランスを保ったまま余韻へと続きます
「ローヌ北部:白ワインの特徴」
きれいなレモンイエローのような色合い、洋梨、黄桃、ハチミツ、ヨーグルト、リンゴ、アプリコット、そして白い花のようなフローラルな香り、ミネラル感もしっかりと感じられボリュームもあり、白だけど飲みごたえ十分な味わいです。
「ローヌ南部:赤ワインの特徴」
カシス、プラム、ブルーベリー、黒胡椒のような香り、エレガントで繊細な口当たり、さらりとした質感でフルーティーさも感じる果実味。スパイシーさだけでない複雑味ある味わいです。
「ローヌ南部:ロゼワインの特徴」
ブラックチェリー、グレープフルーツ、イチゴ、カシスのような香りにローズのニュアンスも、口当たりドライですがジューシーで力強く果実味感たっぷりです
ローヌワインの特徴、まとめ
1.ローヌ地方は北部、南部で分けて考えましょう。
2.北部は焼けるほど暑い地域
3.北部の白はとにかくフローラル
4.南部は多種多彩なぶどうの競演
5.南部には法王もいれば王様もいます
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