オレゴン州はナイキ、アディダス、インテルなど世界的な企業がある一方、農業、漁業、林業なども盛ん。しかも環境に対する意識はかなり高く、自然との共存、自然の有効活用をあらゆる業界で積極的に推進しています。

このような地域ではどのようなワインが造られているのでしょうか!?

アメリカ、オレゴン州とはどんなワイン産地?

オレゴン州は北にワシントン州、南にカリフォルニア州に接する、全米第10位の面積の州です。

カリフォルニアに比べ全体的に気温が低く、夏の終わりも早い為、霜の影響を受けにくい、冷たい空気が流れ込みやすい平地や斜面下部を避け、日照量の多い斜面上部、標高60m~500mの山地や丘陵にぶどう畑が多いのです。

 

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厳格なワイン法

オレゴン州は全米で最も厳しいワイン法を独自に制定しており、州を挙げて世界基準以上のクオリティで栽培・醸造を行っています。

【ぶどう名の表示】

表示されたぶどう品種を90%以上使用していなくてはならない。

【収穫年の表示】

同一年に収穫されたぶどうを95%以上使用していること。

【産地名の表示】

該当産地のぶどうを最低95%使用すること。

意識が高いです

オレゴンは全米でも随一の環境保全に対する意識が高く、バイオダイナミック、サスティナブル、オーガニックなど環境への配慮と食の安全、再生可能エネルギーを重視しています。

これらのことを証明するために様々な認定制度が設けられ、オレゴン州全体のぶどう栽培面積の内、約40%がバイオダイナミック、サスティナブル、オーガニックの認定を受けています。

オレゴンと言えばピノ

オレゴン州は冷涼な気候から栽培されるピノ・ノワールの産地として世界的にも注目されており、現在ではオレゴン州全栽培面積の60%を占めており、約700ものワイナリーがあります。

ただ、年間生産量でいうと5000ケース以下の小さな家族経営のワイナリーが多いです。

2000年からの10年間ワイナリーの数は3倍にもなりましたが、ぶどう栽培面積は2倍にしか増えていないことからも、いかに小規模なワイナリーが多いかを物語っています。

 

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オレゴン州は18ですが3箇所

オレゴンには18のA.V.A.がありますが、大きく分けて3箇所の生産地域に分かれます。

①「ウィラメット・ヴァレーA.V.A」

オレゴン州最大の都市ポートランドからウィラメット河に沿った地域で南北に約240km、東西約100kmにも及ぶA.V.A.。

北部は冷涼な気候でピノ・ノワールの産地として知られおり、南へ下るに従い温暖な気候になります。

北部にはサブ的なA.V.A.が「ダンディーヒルズA.V.A.」「シェヘイラム・マウンテンズA.V.A.」「ヤムヒル・カールトン・ディストリクトA.V.A.」「リボンリッジA.V.A.」「マクミンヴィルA.V.A.」「エオラ・アミティ・ヒルズA.V.A.」と6つもあります。

いずれも高品質なピノ・ノワールを生み出す地域で重要な拠点です。

②「サザン・オレゴンA.V.A.」

ウィラメット・ヴァレーの南、オレゴン州第3の都市ユージーンから南北に200km、東西約100kmにも及ぶA.V.A.。

ウィラメット・ヴァレーよりも温暖で、乾燥した地域のため、シラー、メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの栽培がされています。しかし標高の高い冷涼なところではピノ・ノワールやピノ・グリが栽培されています。

また、このA.V.A.にもサブ的な地域が5箇所あります。

「アップルゲート・ヴァレー」「アンプクア・ヴァレー」「エルクトン・オレゴン」「レッドヒル・ダグラス・カウンティ」「ローグ・ヴァレー」があります。

③「コロンビア・ヴァレーA.V.A.」

コロンビア河流域に広がる地域でワシントン州とまたがって広がっています。

ワシントン州とまたがっているため以前はこのA.V.A.のぶどうのほとんどはワシントン州のワインにブレンドされていました。

しかし現在では「ワラワラ・ヴァレー」「ザ・ロックス・ディストリクト・オブ・ミルトン・フリーウォーター」両A.V.A.でオレゴン産ぶどう100%の高品質ワインができています。またこの地域はシラーやカベルネ・ソーヴィニヨンを得ています。

 

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オレゴン・ピノ・ノワールの父

オレゴンと言えばピノ・ノワールとお話ししましたが、この品種に注目するようになったきっかけの人物がいます。

それはオレゴン・ピノ・ノワールの父と言われている「デイヴィッド・レット」氏。オレゴン州西部に位置するウィラメット・ヴァレーの北部にアイリー・ヴィンヤーズを創設、ピノ・ノワールの栽培を始めました。

デイヴィッド・レット氏はカリフォルニア大学デイヴィス校で栽培・醸造を学んだ後、カリフォルニアより涼しいオレゴンの方が高品質なピノ・ノワールが栽培できると信じて、カリフォルニアではなくあえて、オレゴンで栽培を始めました。

氏に影響を受けカリフォルニアからオレゴンに移り住んだ多くの醸造家達は、当時多くの業界関係者から反対を押し切ってまで移り住んだため自身の事を「カリフォルニアからの避難民」と称しました。

そんな中1979年世界的に有名なグルメガイド、ゴー・ミヨ誌がパリで主催したブラインド・テイスティングのピノ・ノワール部門で、アイリー・ヴィンヤーズのワインが多くの銘醸ブルゴーニュワインを抑え、第3位になったことで、オレゴンがピノ・ノワールの産地として世界中から注目を浴びるようになりました。

しかしこの結果に納得のいかなかったブルゴーニュのロベール・ドルーアンは翌年、ブルゴーニュで再テイスティングを実施、アイリー・ヴィンヤーズのワインはなんと第2位に選ばれ、オレゴンの評価を決定づける結果となりました。

オレゴンワイン、味わいの特徴

「オレゴン:白ワインの特徴」

レモン、青りんご、オレンジ、パイン、マスカットにパッションフルーツのような香り

とろりとした粘性を感じる質感、酸もまろやか、ふくよかな完熟された果実味の印象ですが、爽やかでほんのり苦みも感じる余韻が続きます。

「オレゴン:赤ワインの特徴」

チェリー、フランボワーズ、紅茶、ブルーベリーにプルーンなどの香り、柔らかく上品な口当たり、赤い果実の凝縮感にしっかりとしたミネラルも感じます、綺麗な酸とのバランスもよく長く細い余韻が続きます。

オレゴン州のワイン まとめ

1オレゴンは厳格な独自のワイン法に基づきワインが造られています

2.オレゴンと言えばピノ・ノワールは外せません

3.A.V.A.は18ありますが、大きく分けて3つです。

4.「オレゴン、ピノ・ノワールの父」このワイナリーのワイン一度は飲んでみて

 

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