世界にはたくさんのお祭りがありますが、スペインワイン産業の中心リオハでは「バターリャ・デル・ヴィノ=ワインの戦い」というお祭りがあります。
ミサの後の食事の席でワイン片手に歌って踊って着ている服にワインのシミをつけて騒いだことが始まりとか。今では毎年6月29日に約1万人もの人々がワインをかけあう大規模なお祭りとなっています。
このようなワインが経済・文化の中心にあるリオハにはどんな歴史、どんなワインがあるのでしょう。
四季を通じて温暖な気候のリオハ。雨も平均的に降り、夏でも暑さは厳しくなく、冬も穏やかで気候です。
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特選原産地呼称D.O.Ca.に認定されているのは
1991年、スペインのワイン法にて格付けされている最上位、特選原産地D.O.Ca.にスペインで最初に認定されました。現在でもD.O.Ca.に認定されているのはリオハとカタルーニャのプリオラートD.O.Ca.の2つのみです。
リオハの「地形」はこの3つ!
リオハはその地形から3つに分かれます。
「リオハ・アルタ」
この地域でリオハにおけるぶどう栽培面積の50%を占めます。起伏に富んだ地形で鉄分を多く含む粘土質や沖積土壌で、酸、果実味ともにしっかりとある長期熟成に向く赤ワインが造られます。
「リオハ・アラベサ」
この地域は南向きの斜面に多くぶどう畑が点在しており粘土質と石灰岩土壌で、香り豊かな若飲みのタイプから熟成向きまでの赤ワインが造られます。
「リオハ・バハ」
上記2箇所とは少し異なり地中海性気候の影響を受け、アルコール度数の高い赤ワインとロゼワインが造られます。
リオハワイン変貌の要因はフランスにあった・・・??
それまで瓶や樽で熟成させないフレッシュな若飲みタイプを造っていたリオハですが、19世紀後半フランスにおけるフィロキセラの蔓延がフランスからぶどうの樹をほぼ全滅させました。
フランスでワインを造っていた醸造家も少なからずスペインに渡ってきました。それまでフランスで造っていたワインと似たようなスタイルのワインを造りたいと考え、それまで培ってきた技法を多くスペインに持ち込みました。
それまでボルドーで主流とされていた、大型の木製発酵槽で発酵、オークの小樽での熟成へと変貌を遂げました。
また、醸造技術だけでなくワインの出荷先もそれまでのスペイン国内だけでなく、当時ボルドーワインの多くが出荷されていた海外へもスペインワインが輸出されるきっかけとなりました。
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しかし、リオハに大きな影響を及ぼしたのは・・・
上記のようにリオハに影響を及ぼしたフランスからの入植者ですが、最も大きな影響を及ぼしたのはフランス人ではなくスペイン人だったのです。
当時フランスのボルドーで修行をしていたリスカル氏がリオハに小樽熟成を持ち込んだことが伝統となり、今のリオハにおける主流となり赤ワインだけではなく白ワインも樽熟成を行うようになりました。
このワイン造りの功績によりスペイン王室からマルケス(=侯爵)の名が与えられスペインを代表するボデガとなり「マルケス・デ・リスカル」としてスペインワインを牽引しています。
アロ、パリ、そして・・・ロンドン
リオハワインが大きく変貌を遂げ、海外へと輸出されるようになりましたが、スピーディーにワインを運ぶためにその多くのボデガが鉄道を利用していました。そのためボデガそのものが駅近くに多く点在していました。
その重要な意味を持つようになった駅、リオハにはアロという街に駅がありました(現在はアロ市)。このワイン産業にとって重要な街ともなったアロには1890年までに電気が引かれたスペイン国内に2つしかない街の1つでした。
その後このアロという街は世界的にも経済的繁栄から「アロ、パリ、そして・・・ロンドン」というフレーズまで生まれたのでした。
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リオハではやっぱりこの品種!
リオハでは数種類のぶどう品種が栽培されていますが、その中でも重要な位置を占めているのが「テンプラニーリョ」です。この品種なくしてリオハの赤ワインは語れません。
また、リオハ全域で造られるワインの内、約90%が赤ワインです。少量ではありますが、ヴィウラと言う品種を主で造られる白ワインがありますが、やっぱりリオハはテンプラニーリョでできた赤ワインです。
リオハワイン 味わいの特徴
「リオハ:赤ワインの特徴」
ブルーベリー、カシス、シナモン、バニラ、なめし皮などの香り、熟した果実の甘味がわかり、時間が経つごとに濃厚な印象に変わってきます。綺麗な酸が全体を通してあるためバランスが最後まで崩れることなく、長い余韻へと続きます。
スイペイン「リオハ」のワイン まとめ
1.リオハは特選原産地呼称D.O.Ca.に認定されています
2.「リオハ・アルタ」「リオハ・アラベサ」「リオハ・バハ」は覚えましょう
3.大きな影響を与えたフランス
4.スペイン国内に2つしかない街の1つになるほど栄えました
5.リオハはやっぱりテンプラニーリョ
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