スペイン、カスティーリャ・イ・レオンワイン特徴

カスティーリャ・イ・レオンにはスペイン国内の約半数の文化財があると言われており、7つの世界遺産、112の歴史的遺産、そして200以上の城塞(カスティーリャ)があります。

スペインの公用語であるカスティーリャ語の発祥地であり、そしてレチャソ・アソード(乳飲み仔羊の炭火焼)や、コシニーリョ・デ・セゴビア(子豚の丸焼き)、更にハモン・イベリコ(生ハム)、ボディーリョ・デル・ビエルソ(腸詰ソーセージ)などの肉を使った料理が名物・・・。

こんなに美味しいお肉料理が沢山ある地域には、どんなお肉にピッタリな赤ワインがあるのでしょうね。

スペイン、カスティーリャ・イ・レオンワイン特徴2

マドリッドの北に広がるスペイン最大の州。カスティーリャ・ラ・マンチャ地方同様、「夏の酷暑、冬の極寒、激しい乾燥」3拍子揃った極端な大陸性気候。

スペインを代表するD.O.リベラ・デル・ドゥエロ

2000年ものワイン造りの歴史があるここ「リベラ・デル・ドゥエロ」。

標高800m前後の高地に広がるぶどう畑、最も高い場所では900mを超え、ヨーロッパ全体を見ても高地の部類に入ります。日中の日照時間は長くぶどうはよりよく成熟し、夜の涼しさで凝縮度が高まります。

1980年以降の畑の開墾、最新設備の導入などの投資もあり品質がグッと向上しました。このD.O.ではティント・フィノ(テンプラニーリョ)を主とした赤ワイン造りで高級赤ワイン産地としてスペインを代表する地域として世界からの注目を浴びています。

 

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孤高の存在「ベガ・シシリア」

このリベラ・デル・ドゥエロで19世紀創設のボデガ(ワイナリー)「ベガ・シシリア」。1864年フランス・ボルドーでワイン造りを学んだ創設者がカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、マルベックの苗木をリベラ・デル・ドゥエロの土地に植えたのがボデガの始まり。

この3種にティント・フィノを加えたワインは親しい友人に振る舞うためだけに造っていましたが、バルセロナで開催された万国博覧会で金賞を受賞したことで、ベガ・シシリアの名は一気に世界中に広まることになり、スペインを代表するボデガになりました。

このボデガが良年の時にしか造らない最高級ワイン「ウニコ」はスペインワインの至宝とも言われています。

その後、多くのボデガがリベラ・デル・ドゥエロで高品質な赤ワインを造りだしています。しかし、それでもベガ・シシリアはスペインワインの孤高の存在として特別視されています。

ウニコのプレミアム感、こんなエピソードも

イギリスのチャールズ皇太子はウニコがとても好きで、ダイアナ妃とのご成婚披露宴にウニコを使用したいとオーダーしたそうです。

しかしクオリティにこだわり収量を抑えているため「必要分がない」という理由で断ったという話もあり、その結果プレミアム感が上がったとされています。

 

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スーパー・スパニッシュワイン

1970年代この頃のスペインワインと言えば、テンプラリーニョをメインとしたリオハ地方の赤ワイン、スパークリングのカヴァ、酒精強化の一種シェリーがスペインを代表するワインとされていました。いずれもカスティーリャ・イ・レオンでは造られていません。

唯一この州で秀逸なワインとされていたのは、テンプラリーニョにカベルネ・ソーヴィニヨンを加えたウニコだけ、スペイン最大の州なのにウニコだけでした。その他のこの州では日常的凡庸なワインが主でした。

しかし1980年代、この地にテンプラリーニョだけで複雑でパワフル秀逸なワインが生まれました、ボデガ「アレハンドロ・フェルナンデス」の作品「ペスケラ」です。

このワインがヨーロッパよりも先にアメリカのワイン評論家にスーパー・スパニッシュワインとして紹介され、一躍世界中から脚光を浴びました。

以降、多くのボデガがワイン法にとらわれない自由な発想でワイン造りに取り組んだことにより、高品質なワインが数多く生まれ、その総称としてスーパー・スパニッシュワインという言葉が使われ、世界中に紹介されています。

スペインワインのニュー・エルドラルドとは?

州の北西部に位置しガリシア州に接しているD.O.「ビエルソ」。標高400m~800mにぶどう畑が広がります。

ここでは2000年代になり、スペインの国内外での修行を終えた新進気鋭の醸造家が多くのボデガを立ち上げ、他の地域ではあまり栽培されていない品種、黒ぶどう品種「メンシア」、白ぶどう品種「ゴデーリョ」を用いたワインが世界的に高評価を得るようになりました。

そうしたことからスペインで最も熱い地域と目されるようになりニュー・エルドラルド(新黄金郷)と呼ばれるようになりました。

 

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リアス・バイシャスと並ぶ白ワインの銘醸地

この州のほぼ中央に位置する「ルエダ」。白ブドウ品種「ヴェルデホ」「ソーヴィニヨン・ブラン」を用いたフレッシュで香り華やかな高品質白ワインの産地として、お隣ガリシア州のリアス・バイシャスと並ぶ銘醸地とされています。

リアス・バイシャスは「アルバリーニョ」で酸しっかり、鋭角的な果実味。ルエダは「ヴェルデホ」で酸おだやか、フローラルな果実味。あなたのお好みはどちらですか?

カスティーリャ・イ・レオン 味わいの特徴

「カスティーリャ・イ・レオン:白ワインの特徴」

スペイン、カスティーリャ・イ・レオンワイン特徴3

レモン、グレープフルーツ、青りんご、洋梨、石灰にパインのような香り、さっぱりとほろ苦く塩っけも感じ、果実味も穏やかでキリッとしています。

「カスティーリャ・イ・レオン:赤ワインの特徴」

スペイン、カスティーリャ・イ・レオンワイン特徴4

ブルーベリー、カシス、ブラックチェリー、バニラ、スパイス、なめし皮などの香り、エレガントな口当たり、きめ細かなタンニン、甘味のある果実味ではなく広がる紅茶っぽい果実味、いつまでも余韻が残ります。

カスティーリャ・イ・レオン まとめ

1.リベラ・デル・ドゥエロ、コノD.O.は必ず覚えましょう

2.ウニコを飲める機会があるならば逃してはなりません

3.スーパー・スパニッシュは要注目です

4.「メンシア」「ゴデーリョ」も要注目です

5.リアス・バイシャスと並ぶルエダはおさえましょう

 

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