中部ヨーロッパで最も乾燥した地域の一つに挙げられるラインヘッセン地方。
1000年以上も前に完成したロマネスク様式の聖マルティン大聖堂や、「黒い芸術」とも呼ばれたマインツ出身のグーテンベルグ発明の活版印刷、更にはライン河下りの起点、多くの日本人選手が所属した「FSVマインツ05」のホームタウン・・・これらは全てラインヘッセン地方が属しているラインラント・プファルツ州の州都マインツのことです。
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ドイツワインの首都
ドイツワイン協会連合の本部がある都市マインツ。2008年、世界の偉大なワイン都市が集まって作った協会「グレートワインキャピタル・グローバルネットワーク」にドイツからこのマインツが加わりました。
マインツの他に協会に属している地域は
「アデレード(オーストラリア)」
「リオハ(スペイン)」
「ボルドー(フランス)」
「ケープタウン(南アフリカ)」
「メンドーサ(アルゼンチン)」
「ポルト(ポルトガル)」
「ナパヴァレー(アメリカ)」
「カサブランカヴァレー(チリ)」
「ヴェローナ(イタリア)」。
1国1都市のみしか加入することができないので、正真正銘マインツは「ドイツワインの首都」なのです。
ドイツ最小と最大
その一つ、「千の丘の国」と呼ばれるラインヘッセンはなだらかな丘陵が広がり農業が盛んな地方で、ドイツ国内において森林面積は最小です。
その二つ、ラインヘッセン地方はドイツ最大のぶどう栽培面積26600ヘクタールをほこり、全ドイツのぶどう栽培面積1/4を占めます。
その三つ、ドルンフェルダーの栽培面積もドイツ最大です。
また、ラインヘッセン地方はシルヴァーナーの世界最大の栽培地で2400ヘクタールにも及びます。
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多彩な土壌
ドイツ全域でみられるレスと呼ばれる氷河期の砂塵が堆積した土壌、砂、火山岩、珪岩、スレートの他、この地方独特の土壌で東部ニアシュタインからラインヘッセン西部にかけてみられるロートリーゲントと呼ばれる特殊な風化した砂岩の土壌が広がっています。
「ラインフロント」「ヒューゲルラント」
ラインヘッセン地方は大きく2つに分けることができます。ライン河流域に位置するラインフロントには銘醸村があります「オッペンハイム」「ナッケンハイム」「ニアシュタイン」「ビンケン」「ボーデンハイム」「インゲルハイム」がその代表格です。
一方、ヒューゲルラントは量産地域でラインヘッセン地方の80%相当のワインがここで造られます。
「ドイツワイン=甘い」というイメージ
ラインヘッセン地方のヴォルムスという街にある聖母教会(リープフラウエンキルヒ)の周りにある畑で栽培されたぶどうでできた白ワイン。
この白ワインを飲んだ巡礼者たちが「リープフラウミルヒ」(日本語訳で聖母の乳)のように優しく甘い味わいと表現したという大衆的なワイン、聖母マリアのデザインがラベルに施されています。
日本ではリープフラウミルヒの一つ「マドンナ」という銘柄がひと昔前に大流行し、いい意味悪い意味「ドイツワイン=安価で甘い」というイメージが定着するきっかけの一つになり、今でもこのイメージを持っている日本人は少なくありません。
メッセージ・イン・ア・ボトル
しかし新しい風は吹いています。海外で研鑽を重ね高度な技術を持つ若い世代が「メッセージ・イン・ア・ボトル(※あえて英語で)」という団体を造り(現在は26醸造所が参加)、従来の農耕地帯の畑でぶどうの収量を抑え、伝統的な醸造に沿った方法でミュラー・
トゥルガウやリースリングだけでなく、様々な品種からクオリティの高い辛口ワインを造って世界へと発信しています。
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この生産者は覚えましょう「ケラー醸造所」
「ケラー醸造所」。ドイツで最も権威のある評価誌「ゴー・ミヨ」で最高評価を得ている生産者であり、収穫量を大幅に減らし凝縮されたリースリング、シュペートブルグンダーを栽培することにより、大衆的で安価なワイン産地のイメージが強いラインヘッセンを覆した生産者でもあります。
トロッケンからトロッケンベーレンアウスレーゼまで、いずれもドイツを代表するクオリティのワインを造りだします。
味わいの特徴
「ラインヘッセン:白ワインの特徴」
レモン、グレープフルーツ、青りんご、桃、パインやライチのようなふくよなでふくらみのある香り、ドライな口当たり、カチっとした硬質な印象のある果実味、キレのある酸が全体のバランスをキュッと保っているような印象もあります。
「ラインヘッセン:赤ワインの特徴」
イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、カシス、プラムなどの香りジャムっぽいニュアンスも、まろやかな口当たり、フルーティーでほんのり甘味を感じる親しみやすい味わい。
ドイツ、ラインヘッセンのワイン まとめ
1.ドイツワインの首都はここ
2.ドイツ最大のぶどう栽培面積を誇ります
3.世界最大のシルヴァーナー栽培地
4.ラインヘッセンは大きく2つに分かれます
5.「ドイツワイン=甘い」このイメージはこのワインから!?
6.「メッセージ・イン・ア・ボトル」要注目です
7.ケラー醸造所は覚えておきたい
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