自由の女神、ブロードウェイ、ウォール街、ヤンキースなどなど、洗練された大都会。こんなニューヨークでワインが造られているってご存知でしたか?・・・これが美味し~いのです。

 

スポンサードリンク

 

ニューヨークの話の前に①・・・A.V.A.

アメリカにはヨーロッパのような格付けは存在しません。その代わり一定のガイドラインのような規定があり、気象条件、地理的関係からエリアの境界線を定めています。そのことを、米国政府認定ぶどう栽培地域A.V.A.(American Viticultural Areas)と言います。

A.V.A.は気象条件、地理的関係で決められているので、州をまたがっている場合もあります。また、あくまでも格付けは存在していないのでA.V.A.間に優越はつけられていません。

ニューヨークの話の前に②・・・品質分類

ワインを分類する際に、下記の満たした品質により分類されます。

【産地名の表示】

【ぶどう名の表示】

表示されたぶどう品種を75%以上使用していなくてはならない。

【収穫年の表示】

A.V.A.名を表示している場合、同一年に収穫されたぶどうを95%以上使用していること。A.V.A.名以外の原産地(国、郡、州名)を表示している場合、同一年に収穫されたぶどうを85%以上使用していること。

ニューヨーク州は北緯41~43°に位置しています。これはフランス・シャンパーニュ地方、ブルゴーニュ地方とほぼ同じ。

夏は蒸し暑く、冬は寒さ厳しい気候です。しかし国境を接する五大湖から吹き込む風は夏に涼しさを、冬に霜の被害の緩和をもたらしてくれます。

 

スポンサードリンク


ニューヨークでワイン!?

そもそもニューヨークでワインを造っているってご存知でしょうか。もちろんニューヨーク市が大大都会ですが、ニューヨーク州でみると全米でも上位に入るほどで、州の面積の1/4が農作地帯です。この農作地帯でぶどうが栽培されています。

ニューヨーク州におけるワインの生産量はカリフォルニア州、ワシントン州に次ぐ全米第3位を誇ります。商業用ワインの生産も1839年からと全米で最も古い歴史を誇ります。

ワイナリーの数も2015年現在で367も存在、その内2000年以降250ものワイナリーが誕生しています、急速に伸びていますね。

ニューヨーク州は9つですが5箇所

ニューヨークには9つのA.V.A.がありますが、大きく分けて5箇所の生産地域に分かれます。

①「ロングアイランドA.V.A」

マンハッタンから東に車で2時間ほど、大西洋に浮かぶ島ロングアイランド。島の東側半分は二つに分かれています。

この二つそれぞれがA.V.A「ノースフォーク・オブ・ロング・アイランド」「ザ・ハンプトンズ」として認められています。

四方を海に囲まれたぶどう栽培に適した地域であることから「ニューヨークのボルドー」とも言われ、ボルドー同様メルロの評価が高い地域です。

②「ハドソンリバー・リジョンA.V.A」

ハドソン川中流域からニューヨーク市までのA.V.A.。アメリカ全体でも商業用ワインとしての歴史は最も古い地域。

寒さに強い土着品種(カトーバ、カユーバ、トラミネット、バコ・ノワール)などがメインでしたが、近年はカベルネ・フラン、シャルドネなどの栽培が増えてきています。

③「フィンガー・レイクスA.V.A.」

ニューヨーク州最大のA.V.A.。その名のように指のような長い湖が11も存在、これらは氷河期に削られた土地に水がたまったもの。

夏は涼しい風が、冬は湖の水温が気温よりも高いためそこから吹く風が、ぶどうの樹への霜の影響を緩和しています。

土壌は石灰岩やミネラルを多く含んでおり、酸がしっかりした品種の栽培に向いているため、リースリングやシャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・フランが主に栽培されています。辛口のスパークリングやリースリングを使ったアイスワインなどは高い評価を受けています。

このぶどう栽培に適した気候ゆえ、ニューヨーク州における中心的な栽培地域となっており、この地域には110以上のワイナリーが点在しています。また、この地域には「カユガ・レイク」「セネカ・レイク」2つのA.V.A.が含まれます。

④「ナイアガラ・エスカープメントA.V.A.」

ナイアガラ・エスカープメンという700kmにも及ぶ断層崖沿いに広がる地域。

近くのオンタリオ湖から吹く温かい風がこの断層崖によって抜けることなく留まることにより温暖な気候条件となります。この気候を活かしてナイアガラなどの品種が栽培されています。

⑤「レイク・エリーA.V.A.」

この地域はニューヨーク州最大のぶどう栽培地域。その9約90%がコンコード種を使ったぶどうジュースやバルクワインになります。

 

スポンサードリンク


大統領主催の昼食会、しかも大統領就任を祝う席で採用されたワイン

2013年バラク・オバマ大統領の第二期就任に伴う、大統領主催の昼食会にてフィンガーレイクを本拠地とする3つのワイナリーがコラボして造ったリースリングとロングアイランド「ベデル・セラーズ」のメルロが供されました。

4年前の第一期就任の際にはカリフォルニアワインが採用されたのですが、それからわずか4年でこのような晴れの舞台で供されるようになるなんて凄い事ですね。

ニューヨークのワインって日本であまり見ませんね

こんなにも急速に伸びているニューヨークのワインですが、日本ではあまり見ませんよね。「アメリカワイン=カリフォルニアワイン」これが日本のマーケットですよね。でもこの状況の鍵となるのが「ニューヨーク」。

ご承知のようにニューヨーク州の中心と言えばもちろんニューヨーク・シティ。こんな大都会がワイナリーの近くに位置しているのですから、地産地消という観点からもニューヨークワインってわざわざ輸出しなくても地元での需要に応えるだけで十分なのです。

アーバンワイナリー、なんかスタイリッシュですよね

マンハッタンなどの都会の中にあるアーバンワイナリー、これが近年増えています。周辺のぶどう農家から買い付けたぶどうを使い、都会でワイン醸造を行うワイナリーのこと。

各ワイナリーには直営のレストランやワインバーも併設しているので、ニューヨーカーや観光客もワイン醸造の過程から最後のテイスティングや食事まで楽しめます。なんかスタイリッシュですよね。

 

スポンサードリンク


味わいの特徴

「ニューヨーク:白ワインの特徴」

洋梨、レモン、グレープフルーツ、マスカット、白い花のような香り、レモンのような酸、しっかりしたミネラル感もあるリッチな果実味、ドライすぎない、すっきりした甘味が余韻に広がります。

「ニューヨーク:赤ワインの特徴」

プルーン、アーモンド、マッシュルーム、シナモン、キャラメルに紅茶やレーズンなどの香り、熟した果実の甘味、ドライフルーツのニュアンスがある果実味とのバランスがとれたタンニン、ビターチョコのような余韻が広がります。

ニューヨークワインの特徴 まとめ

1.ニューヨークでは品質もワイナリーの数も急速に伸びています。

2.大きく分けて5箇所を覚えましょう

3.大統領就任式でも登場するほどの品質

4.そりゃ、日本ではあまり見ないわけだ

5.ニューヨークのワイナリー、やっぱりスタイリッシュ

 

スポンサードリンク