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「ラインヘッセン」「プファルツ」「ミッテルライン」「ナーエ」「アール」そして「モーゼル」これらのワイン生産地域が属する「ラインラント・プファルツ州」まさにワイン王国ですね。

その中でも今回ご紹介するモーゼル地方は高品質な白ワインが造られる場所として世界中から評価を得ており、この地の名声を誇っています。

ドイツでは温暖な地域の一つに挙げられ、モーゼル川沿いのスレート土壌は日中に熱を蓄え、夜に放熱する石の多い土壌に日光がほとんど垂直に照りつける急こう配ならではの恩恵を受ける場所です。

気温も比較的安定しており、この地方のぶどう栽培期間は4月から10月までであり遅熟のぶどう品種の栽培には最適な土地なのです。

 

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ローマ人によってもたらされました

モーゼル地方はその昔ジュリアス・シーザーが紀元前50年ごろ、戦場に向かう途中でここモーゼルを通過し、紀元前16年にはローマ皇帝アウグストゥスが今のモーゼル地方南部にあるトリアーという街を開きました。

こうしてローマ人との関わりを持つことになったモーゼル地方にはぶどう栽培ももたらされ、ドイツ最古のワイン生産地となりました。

3つに分かれるモーゼル

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ドイツ国内約240kmにも及ぶモーゼル川流域に広がるこの地域はその長さゆえ、上流・中流・下流に分かれます。上流は「オーバーモーゼル」、中流は「ミッテルモーゼル」、下流は「ウンターモーゼル」となり各地域それぞれ特徴があります。

上流のオーバーモーゼルは貝殻石灰岩や泥土岩が多くリースリングの栽培に適しており洗練された酸のある長期熟成にも耐えうるワインができます。

また2000年以上も前にローマ人によってもたらされたとされているエルプリングという品種が栽培されており、軽やかな辛口の白やゼクト(=スパークリング)ワインが造られています。

中流のミッテルモーゼルは下流のウンターモーゼルにかけてスレート土壌が広がり、このでもリースリングの栽培に適しています。

このスレート土壌は非常に痩せているため、この地で栽培されるリースリングは深く根を張り爽やかな酸、ミネラル感のある果実味、複雑さを持ち合わせたハイクオリティなワインが多く造られています。

下流のウンターモーゼルはフルーティー、優しい酸で親しみやすい白ワインが造られます。

 

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ハート型の枝

モーゼル地方の畑の多くは屈指の急こう配の斜面に広がっています。中でも傾斜65度にもなるブレマー・カルモントはその代表的な畑です。そのような急こう配での畑仕事は困難を極めます、

機械も入りにくく足元もおぼつかない箇所が多いです。そのため栽培者が上下左右に動きやすくできるようなぶどうの樹の仕立て方がとられています。

左右に伸びた長い梢2本を幹に添えた棒を中心にハート型になるように縛り付けます。このような棒仕立てはモーゼル地方ならではの仕立て方で、これはローマ人が行っていた方法です。このようなぶどうの樹がモーゼル地方の畑一面に広がっています。

モーゼルもやっぱりこれは外せません

モーゼル地方全域の約60%を占める栽培品種は「リースリング」。ミューラートゥルガウが約12%、エルプリングが約6%となっています。

造られるワインの比率ですが白ワインが約90%を占めています。

ドイツ全体の1/5はここ

ドイツ全域で特に秀でた畑として特別単一畑「オルツタイルラーゲ」。その数はドイツ全域でたったの5か所。その内の1つはモーゼル地方にある「シャルツホーフベルグ」。

歴史的に見てもとても重要な畑です、ローマ人によって開墾されたシャルツホーフベルグはトリアーの修道院が所有していました。しかし、お隣フランスで起こったフランス革命後ナポレオン軍の征服にあい接収されてしまいます。

その後1797年にフランス政府によって競売にかけられ、その競売に競り勝ち畑の所有者となった一族が現在までこの畑を守り抜き、この畑で栽培されたぶどうからできたワインはドイツが世界に誇る白ワインと称されています。

 

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世界三大貴腐ワイン&ドイツのロマネコンティ

そのシャルツホーフベルグを所有し、世界に誇る白ワインとまで呼ばれるようになった一族の現当主は「エゴン・ミュラー」という方です。

氏が造るワイン「シャルツホーフベルガー・トロッケン・ベーレンアウスレーゼ」はトロッケン・ベーレンアウスレーゼ、世界三大貴腐ワインの一つと言う事実だけでなく、特別単一畑シャルツホーフベルグの畑のぶどうであると言う事実も重なり「ドイツワインのロマネコンティ」とまで言われており、世界屈指の白ワインとして世界でも指折りの高価で取引されています。

味わいの特徴

「モーゼル:白(貴腐)ワインの特徴」

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蜂蜜、アンズ、青りんご、黄桃、アーモンドなどの香り、優しくまろやかな酸、リッチでふくよかでトロピカルフルーツのニュアンスもある果実味、コンポートのようなニュアンスもあります。

モーゼルワインの特徴 まとめ

1.ローマ人によってもたらされたドイツ最古のワイン生産地

2.モーゼル地方は3つに分かれます

3.この地方のぶどうの樹はハート型に仕立てられます

4.モーゼル地方も「リースリング」

5.銘醸畑シャルツホーフベルグでは世界に誇る白ワインが造られます

6.ドイツのロマネコンティと呼ばれる世界三大貴腐ワインがあります

 

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