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バーデンと言えば「バーデン・アスパラガス街道」ですが、ご存知でしょうか?

1650年ごろ時の選帝侯「カール・テオドール」は別荘地シュヴェツィンゲンに王様の野菜として大好きなアスパラガスを植えさせました。

こうしてカールスエール、ラシュタットなどを経由しシェルツハイムまでに至るルートで宮廷料理にバーデン産アスパラガスを食す習慣が取り入れられ、近隣諸国にも広がりました。

この全長約130kmにも及ぶルートが今でも「バーデン・アスパラガス街道」として知れ渡っています。

バーデン地方はドイツ南部に位置し、年間日照時間1700時間以上、平均気温11℃以上あるドイツで最も温暖な気候です。

ヴォージュ山脈、ジュラ山脈に挟まれるような位置にあるため冷たい風や強い雨から守られているだけでなく、別名「ブルゴーニュの門」と呼ばれており地中海性の暖かな空気が入り込みます。

また、バーデン地方に沿って流れているライン川の西側フランスで南側はスイスです。

 

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バーデンで特に重要な地域は

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ドイツで3番目に大きなワイン生産地域で細く長い地形で400kmにも及びます。ボーデン湖、黒い森、ライン川など多彩な地形要素が多く存在しており、9つにもワイン生産地域に分かれます。

土壌もさまざまで石灰、粘土、泥炭岩、火山岩、黄土堆積、花崗岩、氷堆石など、土壌の多彩さはワインの味わいにもつながりますので、バーデンワインと言っても一筋ではいきません。

【カイザーシュトゥール】

ここはヴォージュ山脈が北からの風と雨を遮ることもあり、日照時間が1700時間以上ものぼり温暖な地域で、火山性の台地は豊富なミネラル分を含んでいます。

このような地域ではシュペートブルグンダー、ヴァイスブルグンダー、グラウブルグンダーなどのしっかりとした味わいのワインに通じる黒ぶどうが栽培されています。

【オルテナウ】

ここは年間降水量が1000mm前後ととても多い地域、しかも温暖な気候なのでここ栽培されているシュペートブルグンダーとリースリングからはフルーティーで濃密な味わいのやや甘口ワインが造られます。

【マルクグレーラフラーラント】

ここは昔からワインが造られている地域で8世紀から造られた記録が残っており、ここの重要品種グートエーデルはこの地で5000年以上も昔から栽培されていたとされています。

この地では他にグラウブルグンダーやシャルドネも栽培されており大半が辛口タイプのワインが造られています。

【ボーデンゼー】

ここはドイツ最大の湖ボーデン湖の北側に広がる地域。生産量は多くはありませんが、シュペートブルグンダーを主とした「ヴァイスヘルプスト」というロゼワインが有名。その他にミュラー・トゥルガウの白ぶどうも栽培されます。

 

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ここは協同組合

バーデン地方で家族経営によるぶどう栽培農家のほとんどは協同組合に属しています。1881年に組織された協同組合は現在で77もの協同組合が存在しバーデンワイン全体の約75%を造っています。

ドイツのロゼって

世界で造られるロゼワイン(ざっくり言うと、黒ぶどうを使って白ワインを造るように圧搾した方法や黒ぶどうを使って赤ワインと同じように醸造し、着色した時点で皮や種子を取り除く方法など)と違い独自の手法で造られるロゼワインがあります。

それが、「ロートリング」と呼ばれるロゼワインで、発酵前の赤ワインと白ワインをブレンドする手法です。ここバーデン地方ではシュペートブルグンダーとルーレンダーをブレンドして造られるロゼワイン「バーディシュ・ロートゴールド」があります。

その他の地方で同様の手法で造られるロゼワインはザクセン地方の「シーラー」、ヴュルテンベルグ地方の「シラーワイン」があります。

バーデン地方でこの造り手は外せません

バーデン地方の中部に位置する「ブライスガウ」、約700年前にシトー派の僧侶がフランスからこの地を訪れて際、ブルゴーニュのシャンボール・ミュジニーに土壌が似ているためシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)を植えたそう。

このブルゴーニュにも似た土壌・気候でワインを造っている生産者でシュペートブルグンダーを用いたワインの筆頭格に挙げられるのが「ベレンハルト・フーバー」。

1987年に当時所属していた協同組合を脱退、制約に縛られない独自のワインを手掛けるようになりました。

新樽の小樽で長期熟成をする今では認知されている手法をいち早く用い、ドイツで最も権威のある評価誌「ゴー・ミヨ」で最高評価をバーデン地方で唯一得ている生産者で、2008年には「最優秀醸造家」に選出されました。

 

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味わいの特徴

「バーデン:白ワインの特徴」

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洋梨、グレープフルーツ、蜂蜜、メロンや石灰、白い花のような香り、しっかりとしたミネラル感、まろやかな酸で厚みがありふっくらした果実味、ボリュームがありますがすっきりした余韻です。

「バーデン:赤ワインの特徴」

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ラズベリー、ブラックベリー、カシス、イチゴ、チェリーなどの香りにバラや木樽のニュアンスも、酸も丸めで軽めな印象ですが密度があり骨格があるしっかりとした果実味、引き締まったエレガントな余韻が特徴です。

バーデンワインの特徴 まとめ

1.バーデンで特に重要な地域は「カイザーシュトゥール」「オルテナウ」「マルクグレーラフラーラント」「ボーデンゼー」です

2.ここでは協同組合で多数を占めます

3. バーディシュ・ロートゴールドは覚えよう!

4.シュペートブルグンダーは重要です

5.「ベレンハルト・フーバー」この造り手も覚えておきたい

 

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