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トスカーナと言えば、花の都・フィレンツェ、ルネッサンス、ピサの斜塔、ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ビンチ、メディチ家、カンポ広場、ビステッカなどなど。

歴史、芸術、食と尽きる事の無い魅力満載の場所、ワイン好きなあなたもきっと飲んだことのあるトスカーナワイン。この奥深いこの地域を勉強しましょう!

 

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トスカーナワインの話をする前に

イタリアにはワインの専門誌が数多く存在します。その中でも特に有名な専門誌をご紹介します。この専門誌を読むとさらに専門的な知識が身に付きますよ。

「ヴィーニ・ディタリア」ガンベロ・ロッソ社発行

イタリアで一番有名なワイン専門誌。2011年版で例を挙げるとイタリア全土2350ワイナリー、20000本が掲載され、それらをグラスの数で格付け。

グラス一つ=水準以上
グラス二つ=素晴らしい
グラス二つ(カラーで表示)=グラス二つの中で最高位を決める最終選考まで残ったワイン
グラス三つ=最高位で喝采ものという最高評価

2011年版では402銘柄がグラス三つ(トレ・ヴィッキエーリ)が獲得しています。

「イ・ヴィーニ・ディ・ヴェロネッリ・グイダ・オーロ」ヴェロネッリ社発行

イタリアを代表するフードジャーナリストで別格な存在の「ルイジ・ヴェロネッリ」氏が創刊した専門誌、星(ステッレ)の数で格付け。

星一つ=良質なワイン
星二つ=最高のワイン
星三つ=非常に卓越したワイン
星三つ(青色で表示)=過去3回以上の星三つを獲得し、今回も91点以上をとったワインをスーパートレステッレと評価しています。

太陽(ソーレ)のマーク=特に感動した最高位ワイン

高級ワインの宝庫

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イタリアワイン全体から見るとその生産量は決して多くはないトスカーナワイン。ですがそのクオリティゆえ外すことができないDOP(DOCG)ワインがたくさんあります。また、外来品種を用いたことにより一世を風靡したマニア垂涎のワインもあります。

 

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サンジョベーゼは覚えましょう!

トスカーナワインの多くDOP(DOCG)ワインがサンジョベーゼを使用しています。

ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチャーノ、カルミニャーノ、キャンティ、キャンティ・クラッシコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、モレッリーノ・ディ・スカンサーノなど。

トスカーナだけにとどまらずイタリア中部における最重要黒ぶどうです。

フィレンツェから続く「ワインの道」とは??

フィレンツェからキャンティの中心部を通りシエナまで続く道222号線を別名「ヴイア・キャンティジーナ(キャンティ街道)」と呼ばれています。

この街道を車で走るといたるところにワイナリーの場所を示す看板が立ち、街道沿いにはなだらかな広陵が広がり、その斜面にはぶどう畑が広がり、有名無名多くのワイナリーも点在しています。

この街道沿いでワイナリー見学、食事、宿泊、ワインショップ巡りなどの一連が全て楽しめます。

貴族が育てたワイン

トスカーナの中心に位置するワイン産地「キャンティ、キャンティ・クラッシコ」北はフィレンツェから南はシエナ、西にピサから東はアペニン山脈と広いエリア。これだけ広いと同じキャンティでも個性が様々。

その昔は現在のボトルではなく「フィアスコ型」という藁に包まれたボトルに入れられたこのワインはイタリアワインの代名詞として世界中に知れ渡りました。

16世紀にはメディチ家が台頭、トスカーナ全域を支配していきました。トスカーナ全域に拡大していくとキャンティ各地の領主や貴族をメディチ家の支配下に治めていきました。

しかし、栄枯盛衰18世紀にメディチ家が衰退するとそれまで自家消費のために造っていたワインを「売るためのワイン」として位置づけるようになりました。当時の貴族からしてみると生きるためにワインを造らねばなりませんでした。

「アンティノリ」「フレスコバルディ」「リカゾリ」などの名門貴族はこぞって高品質なワインを造り始めたのです。また、1878年のパリ万博においてキャンティは見事金賞を受賞。一気に世界から注目されるようになりました。

 

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一世を風靡しワイン法まで変えた銘酒

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トスカーナの西南部、地中海に面した地域にボルゲリ地区。この地で競走馬の飼育を本業としていたマリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵。

マリオ侯爵は大のフランスワイン好き、特にボルドーワインしか口にしていなかったとか。しかし時は第二次世界大戦、フランスは敵国となってしまったため、いくら大金を掛けてもボルドーワインは手に入りません。それならば自分で造るしかない!と決心するのでした。

フランスの友人からカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランの苗木を手に入れ自宅敷地に植えました。当初できたワインは飲めたものではありませんでした。造りは継続したものの飲むことはせず樽に入れたままの状態が続きました。

しかしある時、樽に入れて熟成されていたワインが劇的に変化、そのワインの美味しさに驚きを隠せませんでした。

こうして樽の中に眠っていたワインがきっかけで、1965年にぶどう畑を拡大。その畑がボルドーに似て石が多いことから「サッシ(=小石)カイア(=多い)」という名前が付いたのです。

トスカーナで最も重要なサンジョベーゼを用いず、当時のDOC法に入らない自由なワイン、いわゆるテーブルワインとして「サッシカイア」が誕生。

1968年現オーナー息子のニコラ氏に経営が移ると、その味わいを世界に広めたいと考え、従兄弟で名門ワイナリーのオーナーであるピエロ・アンティノリ氏に相談。

当時ボトリング施設を持っていなかったニコラ氏にアンティノリの施設を提供。こうして「サッシカイア」は世界へと羽ばたきました。

サッシカイアはヴィーノ・ダ・ターヴォラの格付けでしたがバローロなどのDOCGワインをも凌駕する評価を得るようになりました。そうすると当時のワイン法がクオリティの実態を反映させていないという批判が起こり、結果1994年格付けの見直しが行われ、DOCボルゲリ・サッシカイアという単独名での格付けが認められました。

トスカーナで「発明」されたワインとは?

新しいワインが世の中に出たときに「発明」と言われることは多くないかと思いますが、このワインはある人物により「発明」されたワインとして知られ、ある人物により名づけられたワインはイタリアワイン屈指の位置付けされています。

当時この村はぶどうとオリーヴ栽培だけの貧しい村でした。ワインも自分たちが飲むためのものとして造られ、白ワインが中心でした。しかし1800年代になって科学者でもあった「クレメンテ・サンティ」が品種改良によって新しいクローンのサンジョベーゼを発見したのです。

その後、時は流れクレメンテの孫「フェルッチョ」は祖父の意思を継ぎ祖父が改良したクローンの中で、突然変異して生まれた「サンジョベーゼ・グロッソ」に注目しました。

この品種をさらに厳選、病気に強くエキス分が濃縮されたものだけで長期熟成にも耐えるワイン造りを始めました。当時、一種類のぶどうだけでワインを造ることは画期的なものでした。

そして更にその後、フェルッチョの孫「フランコ」の代になり先祖代々継承し、さらに磨きをかけたこのワインはトスカーナを代表するワインとして評価されるようになったのです!

こうしてトスカーナの片田舎でしかなかったこのモンタルチーノ村で一人の科学者から始まったぶどう改良、栽培は、今ではトスカーナだけでなくイタリア屈指の高級ワインとして評価されています。

その一族「ビオンディ・サンティ家」によって発明されたワイン「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」は世界中の愛好家から羨望の眼差しを受けています。

 

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百の塔の町から

トスカーナワイン全体で85%を占めている赤ワインの生産量。圧倒的に赤ワインが多い中で白ワインの生産で有名な地域があります。中世の頃、富の象徴として建てられた数々の塔を中心に世界遺産にも指定されている、百の塔の町「サンジミニャーノ」。

ヴェルナッチャという白ぶどうを主体に造られたワイン、その名も「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」。この品種には諸説ありますが、一番有力なのはトスカーナの北に隣接しているリグーリア州の「ヴェルナッツァ」からサンジミニャーノに運ばれたとか。トスカーナを代表する辛口白ワインです。

味わいの特徴

「トスカーナ:赤ワインの特徴」

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フランボワーズ、ブルーベリー、ブラックチェリー、紅茶、木樽など複雑な香り、軽やかな口当たりですが、含んだ後に広がる果実味圧巻です。うっすらした果実味なのですがエキス分はたっぷり含んだ印象なので、余韻までしっかり楽しめます。

「トスカーナ:白ワインの特徴」

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レモン、グレープフルーツ、マスカット、青りんごのフレッシュな香りにほのかにアーモンドのようなほろ苦さも、ミネラル感が強く、清涼感のある果実味なのでスイスイ楽しめます。

ピエモンテに並ぶ高級ワイン産地のトスカーナ、サンジョベーゼ一つ、キャンティ一つとっても奥の深いエリアです。

また、サンジョベーゼだけにとらわれることのない自由なワインも多くあり、しかも高品質。トスカーナだけを追求しても楽しめる魅力的な地域ですよ!

トスカーナのワイン まとめ

1.高級ワインの宝庫「トスカーナ」

2.サンジョベーゼは絶対におさえましょう

3.貴族が育てたワイン「キャンティ」

4.ワイン法まで変えたワイン名は覚えましょう

5.「発明されたワイン」ってご存知ですか?

6.百の塔の町から、美味しい白ワイン

 

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