「ニュー・シネマ・パラダイス」「ゴッドファーザー」「シチリア・シチリア」「グラン・ブルー」など数多くの名作の舞台になっているシチリア。
地中海のほぼ真ん中に位置する関係でアラブの文化を色濃く反映された文化、レモンやオレンジ、オリーヴなどの果実も特産でイワシやカジキマグロなど日本でもお馴染みの魚介類の宝庫、これらを使った料理は絶品、もちろんこれらに合わせるワインも絶品です!
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シチリアは意外と冷涼な気候だった!
1500kにも及ぶ長い海岸線を持つイタリア最大の州、シチリア。
島ではありますがその気候の多様性、アフリカに近い位置にありますのでサハラ砂漠からの熱い風「シロッコ」も吹く地中海性気候。このような暖かなイメージが先行しがちですが、3350mのエトナ火山を筆頭に島一帯の標高は高く100m以下の土地は全体の20%以下しかありません。
よって、標高の高いところで造られるぶどうが多く、意外と冷涼な畑が多いのです。標高の高い地域ではしっかりと雪も降りますし、スキーもできます。こんな多様性に富んだ地域にはいったいどんなワインがあるのでしょうか。
同じ島国のワインリスト
トスカーナのビステッカ(ステーキ)、ピエモンテのクルーダ(生肉のたたき)などイタリアンには欠かせない美味しい料理がたくさんありますが、タコのマリネ、イカのフライ、イワシのマリネなどシチリアの地元料理は日本人にとって親近感、親密な感じがありますよね。
やっぱり島国・日本の食文化と根底で近いのでしょうか。そうなるとイタリアンのワインリストもピエモンテやトスカーナのような長期熟成タイプの赤ワインに偏ったリストは無しですよね。
実はボルドーの約1/20という生産者数
イタリア最大のワイン生産量を常にヴェネトやエミリア・ロマーニャ、プーリアと争っているシチリア。フランス・ボルドー地方とイタリア・シチリア島、両方ともにほぼ同じぶどう栽培面積を誇ります。
しかしワイン生産者はというと、ボルドーでは8000社あまり、シチリアでは400社ちょっと。さぞ、シチリアのワイナリーは広大な面積を所有しているのだと思いがちですが、実はぶどう栽培は行うけどワイン醸造は行わない農家が多い地域なのです。
彼らはぶどうを他のワイナリーや協同組合へ売ります、しかもぶどうを購入したワイナリーや協同組合では瓶詰めまでするのは僅かで、そのほとんど80%が大型のタンクなどに入れられて他の地域のワイナリーへ販売されるバルクワインなのです。
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少数ではありますが・・・。
このようなシチリアですが、近年は少数ですが高品質なワインを造る生産者が続々と現れ世界的な評価をどんどんと得ています。しかも、元々のシチリアのワイナリーだけでなく、イタリア本土からもシチリアのポテンシャルを見込み続々と進出してきています。
そんなワイナリーが多く進出している地域があります、それは・・・・。
「エトナ」この地名は覚えておきたい
イタリア最大の活火山エトナ火山、この火山の東側に位置する「エトナ」。エトナは他のシチリアとは異なる気候条件であることから地元の人はこの地域を「島の中の島」と呼びます。
地域全体標高が高く寒暖差も大きいですのでぶどう栽培にはうってつけの地域。南イタリアワインと一括りにされるのではなく、その気候条件からピエモンテやフランス・ブルゴーニュなどと比較されるような、力強い果実味、凛とした繊細な酸が特徴の高品質ワインが生み出されます。
ここもたくさんあります
シチリアでも多くのぶどう品種が栽培されています。いや~多いですね。
これを忘れてはいけません「マラサラ」とは?
シチリアの西部で造られる世界的に有名な酒精強化ワイン「マルサラ」。1773年にイギリス人商人「ジョン・ウッドハウス」がポルトガルで造られる酒精強化ワイン、マディラワインを真似て、この地域のワインにアルコールを補強して造られたのが始まりです。
当時はイタリアよりもイギリスで大変人気になり、ポート、シェリー、マディラと並んで高く評価されました。色合い、糖分、熟成期間などにより分類されます。
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味わいの特徴
「シチリア:赤ワインの特徴」
フランボワーズ、いちご、ブラックベリー、紅茶、シナモン、チョコレート、や木樽などの香り、鉄っぽい印象も。ミネラル感のある細身な果実味、酸も優しく凛としたきれいな印象。
「シチリア:白ワインの特徴」
レモン、グレープフルーツ、パッションフルーツ、リンゴのフレッシュ香り、白い花や、石灰のような香りも、しっかりとした酸に柑橘系のほのかな苦みも。塩っぽさも感じるはっきりとした果実味。
シチリアワインの特徴 まとめ
1.シチリアは意外と冷涼な地域です
2.日本人の根底にある味覚を刺激します
3.ボルドーと同じような面積ですが、生産者は約1/20
4.バルクワインがそのほとんどでした
5.「エトナ」という地名は覚えましょう!
6.忘れてならない「マルサラ」
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