現在のイタリア共和国という国の形の前はサヴォイアというフランスのサヴォワ地方出身の流れの王国が一帯を支配していました。そのような経緯もありフランスの宮廷料理がこの地方の料理のベースとなりました。
その他の地方とは異なるバターやラードなどを用いた多彩なソースが料理の基礎となっています。このようにフランス文化を反映させながら今日まで至っている「ピエモンテ」はイタリアを代表する食材の宝庫として有名な地域です。
白トリュフ、ゴルゴンゾーラチーズ、ジビエ、ヘーゼルナッツなどなど。このように食に関して事欠かない地域には美味しいワインも豊富にあります。
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ピエモンテの話をする前に、まずは格付けのお話から・・・。
イタリアワインにも格付けが存在します。これからいろんな州のワインをお話しする上で外せないキーワードなのでここでお話をしましょう!
フランスと違いこの格付けはイタリア全土で基本同じなのである意味簡単かもしれません。しかしEUのワイン法改正に合わせて、2010年イタリアでも新法への改正がされました。
DOP → 産地表示を伴うもの
IGP → そのワインの85%以上がその土地で造られたものである
VINO → 上記2カテゴリーにとらわれない自由なワイン
ですが、伝統的表示は現在でも使用が可能なので両方を知っておくべきです。
イタリアワインと言って避けて通れないピエモンテ。
イタリアワインを語るうえで、絶対に外せない山の麓と言う意味の「ピエモンテ」。
気候は厳しく雪の多い冬、乾燥した夏、霧の発生する時期が多い秋、雨は春と秋に集中します。そんな気候の中で、イタリアを代表する赤DOP(DOCG)ワイン「バローロ」「バルバレスコ」を生み出す地域です。
その他にもモスカート(マスカット)から造られる甘口ワインなども有名です。しかし伝統的なぶどうを継承しつつ、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど外来品種も積極的に取り組んでいます。
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やっぱりネッビオーロ! 高貴な黒ぶどう。
イタリアで最も高貴な黒ぶどうの一つが「ネッビオーロ」。他のぶどうに比べ収穫時期が遅い品種なので、ぶどう畑に霧に覆われることからイタリア語の霧(ネッビア)からこの名前が付いたと言われています。
地方によっては「スパンナ」「キアヴェンナスカ」と呼ばれています。この品種からはタンニンが豊富で長期熟成に向いた力強い赤ワインが造られます。
また、栽培される場所の気象状況を強く受ける品種なので、ごく限られたエリアのみでないと良いぶどうが育ちにくいとされています。
王と女王
そのワインからくるネッビオーロの力強さ、厳格さゆえ「王のワインでありワインの王である」と称えられるDOP(DOCG)「バローロ」、飲み頃を迎えるまでに10年から20年かかると言われています。
同じネッビオーロで同じピエモンテから造られるワインですが、そのエレガントさ、まろやかさゆえ「イタリアワインの女王」と称えられるDOP(DOCG)「バルバレスコ」、こちらも飲み頃を迎えるまでに10年から20年かかると言われて、別格扱いされています。
クラシック、モダン
同じバローロなのですが、ざっくり言うと醸造方法などの違いから「クラシック・バローロ」「モダン・バローロ」と分けられます。(本当にざっくりですが)
「クラシック・バローロ」
その昔20世紀前半までネッビオーロの強い抽出によって苦みの強いものとなり、その苦みをやわらげるために、伝統的な大樽で3年を越えるような長期熟成を行っていました。
そのため伝統的な消費者には支持されたものの、果実味のしっかりした味わいを求める若い世代には受け入れられませんでした。
また、果皮から充分な色素を抽出するため、果皮に含まれる青いタンニンを過剰に抽出する結果となりました。そしてこの過剰なタンニンを和らげるためにオークの大樽での長期間に及ぶ熟成が行われます。
「モダン・バローロ」
1980年代になるとタンニン分がおだやかで、より果実味があり、若くてもおいしく飲めるバローロを目指した生産者が台頭してきました。
市場の求める果実味豊かなワインはオークの小樽で短期間だけ熟成が行われます。果実味あふれるニュー・ワールド・スタイルで、彼らのロビー活動により、バローロDOP(DOCG)の最低樽熟成期間は1年となりました。
カリフォルニアワインのテイストに慣れ親しんだ米国市場で爆発的な支持を集めたと言われています。
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宝石と称えられるワイン
ネッビオーロを90%以上使用した赤ワインで「ガッディナーラ」というワインがあります。
過酷なエリアから造られる長期熟成できるポテンシャルをもったこのワインは「イタリア醸造技術が生んだ宝石」と称えられ、過去にはバローロに勝る名声を得ていた時代もありました。
マスカットのワイン
モスカート・ビアンコ(マスカット)100%から造られる甘口のワインがあります。こちらは特有のフルーティーな香り、ふんわりした甘さが魅力です。
発泡タイプの「アスティ・スプマンテ」、微発泡タイプの「モスカート・ダスティ」の2種類があり、どちらもアルコール度数が6%前後しかないため(通常12.5%~14%ほど)普段ワインを飲まない方にもお勧めしやすいワインです。
あります、知名度の高い白ワイン
寒いイメージのあるピエモンテですが、ピエモンテ南部は地中海に近いため、温暖な地域もあります。地中海の影響を受けた温暖なガヴィという丘陵地帯があります。
ここでは「コルテーゼ」という白ぶどうを使ったシャープでミネラル感あふれる辛口の白ワイン「ガヴィ・コルテーゼ・ガヴィ」が造られます。
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味わいの特徴
「ピエモンテ:赤ワインの特徴」
カシス、プルーン、ブルーベリーにフランボワーズ、紅茶、スパイスなど複雑な香り、口当たりは繊細ですが、幾重にも広がる果実味の強さには圧倒されます。抜栓後どんどん広がる香り、長い余韻はいつまでも楽しめます。
「ピエモンテ:白ワインの特徴」
青りんご、洋梨、黄桃、マスカットなどのフレッシュな香り、きりりとした酸、しっかりと感じるミネラル、程よいコクもありますので、飲みごたえも感じられるワインです。
因みにバーニャカウダもここが発祥って知っていましたか? その豊富な食材ゆえ、色々な料理との相性を考えられるピエモンテのワイン。アンティパスト(前菜)からドルチェ(デザート)までしっかりと合わせることができます。
もちろんワインだけでもじっくりと楽しめます。奥の深いイタリアを代表する地域ピエモンテのワインを楽しみましょう!
イタリアワイン、ピエモンテの特徴 まとめ
1.イタリアワインと言って避けて通れないピエモンテ
2.ネッビオーロは絶対におさえましょう
3.王様、女王、宝石。ピエモンテには美味しい赤ワインがたくさんあります
4.マスカットを頬張ったようなフルーティーな甘口ワイン
5.しっかりとあります。辛口白ワインガヴィ
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