リオネグロ州はパタゴニア地域の北端でアルゼンチンの中心部にある州です。
州都はビエドマにあり、首都ブエノスアイレスから960kmはなれた地点にあります。気候は年間降水量わずか18cm、湿度が最高でも30パーセントにしかならない乾燥した気候。
照りつける太陽、強い風、激しい昼夜の寒暖差・・・厳しい気候条件には害虫も受け付けず、健康でとても小さく凝縮した葡萄が育ちます。
ビエドマはパタゴニアで最も古い都市の一つでもあり1779年に建設されました。又エルコンドル・ビーチリゾートなどもありますので多くの観光客が訪れている地域でもあります。
その中、リオネグロ州で造られる、私が気になるワイナリーを幾つかご紹介したいと思います。
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チャクラトレンタ・イ・ドス
チリとアルゼンチンにまたがり、氷河とアルプスに囲まれた、世界屈指の大自然南米パタゴニア。非常に過酷な砂漠の地でチャクラは誕生しました。
チャクラのワインを手がけるのがイタリア人のピエロ氏。ピエロ氏はイタリアで造られている【サッシカイア】のオーナーの甥にあたります。
サッシカイアが造るワインは非常に評価が高く、ワイン評論家で有名なロバートパーカーからも評価を受け「クラッシックなスタイルの偉大なヴィンテージ」と高く評価されています。
そんな血筋を受け継ぐピエロ氏が手がけるチャクラ。樹齢80年を超えるという古樹のピノノワールが有名で、深く根を張り、余すことなく吸い上げた果実の美味しさを大切にするために、極力人為的にワインを造る、ビオディナミを実践、極上のワインを造り上げています。
通常機械を使用して行う除梗(収穫した葡萄の枝などを取りはぶく作業)も全て手作業で行っています。チャクラで出されているワインのでは、濾過をせず瓶詰めする手法を使ったワインもありますのでまさにビオを意識したワインを作っていると思います。
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ウンベルト・カナレ
1909年以来、ウンベルト・カナレはパタゴニアで非常に早く創設されたワイナリーです。
世界で最も南にあるワイン生産地域のうちの一つで、上文でも書きましたが、その特徴的な気候である冷涼な夜間と強烈な晴天は素晴らしい葡萄品種の開発に理想的です。
イタリアのジェノヴァから移民してきた家系の創設者ウンベルト・カナレ氏はエンジニアとしてリオネグロ州の農地開発の為にこの地を訪れたのをきっかけに気候と土壌がワイン造りに最適であると確信し、ネグロ河上流に土地を購入しました。
醸造過程では、極力手を加えぬようシンプルに行われています。発酵容器はロット毎の仕込みを可能にする、容量違いの温度制御付きステンレスタンクを使用しており、発酵と熟成に使うオーク樽はアメリカ産とフランス産の新旧を使い分けて行っています。
又、ここのワイナリーのこだわりから、ワインのフレッシュさを損なわないよう、瓶詰めは顧客の需要に応じてこまめに行われています。
最後に
特徴的な気候の中、独自のスタイルでワインを造り上げているワイナリーが多数あるリオネグロ。他国からこの地に魅力を感じ、移住した人たちは多数いらっしゃいます。そんなリオネグロのワインを知ってもらう機会となって頂ければと思います!
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