マイクロソフト、ボーイング、スターバックス、アマゾン、コストコ、任天堂アメリカ本社などなど、世界的も有名な企業が本拠地としている一方、オイスターやクラムチャウダーなどシーフードの宝庫をしても有名。

このようなワシントン州ではどのようなワインが造られているのでしょうか?

ワシントンのワインの秘密とは?

アメリカ西海岸、カナダに国境を接するワシントン州。3000m級の山々が南北に連なるカスケード山脈、この山脈に太平洋からの湿った風がぶつかり雨となり、乾燥した風が内陸に吹き込みます。

そのため内陸部は寒暖差の大きな大陸性気候で夏はボルドーよりも暑く、秋はブルゴーニュよりも寒くなります。年間の雨量も200mmと非常に少なく乾燥した地域です。

ワシントン州のワインは○○〇が全米第2位!

ワイン産業の歴史は短く1900年後半から近代的なワイン産業が始まったばかり。ですがその発展の勢いはすさまじく、1960年後半から1970年代にかけては15日に1ワイナリーが誕生したと言われています。

ワインの生産量はカリフォルニア州に次ぐ全米第2位を誇り、ワイナリーの軒数は900に迫る勢いです。

 

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カリフォルニアとは全然違います

砂漠のように乾燥した気候のこの地域は、昼間の気温が40℃にも上がり夜間は0℃まで下がる時期もあり、1日の日照時間はカリフォルニアよりも2時間ほど長いため、太陽の陽射しによりぶどうが完熟することで果実味が増し、夜間との寒暖差により過剰な熱からぶどうを守り、糖分をゆっくりと高め綺麗な酸が保てています。

このような気候は世界的に見ても稀なことです。また、一つの品種だけでワインを造るのではなく、複数のぶどうを用いてワインを造るのも特徴です。

ワシントン州は13ですが3箇所

ワシントンには13のA.V.A.がありますが、大きく分けて3箇所の生産地域に分かれます。

①「コロンビア・ヴァレーA.V.A」

ワシントン州のほとんどを占め、オレゴン州との境沿いに流れるコロンビア河流域に広がるA.V.A.。

氷河期の氷河や土砂が大量に流れることによってできた大河は、この地に広がる土壌のもとになっています。このA.V.A.には10ものサブ的なA.V.A.として点在しています。

「レークシェラン」「エインシェントレイクス」
「ワルークスローブ」「ワラワラヴァレー」
「ホースヘヴンヒルズ」「レッドマウンテン」
「ヤキマヴァレー」「ラトルスネークヒルズ」
「スナイプスマウンテン」「ナチェスハイツ」
がA.V.A.として認められています。

黒ぶどうはカベルネ・ソーヴィニヨン、シラーが注目されており、その他メルロ、カベルネ・フラン、マルベックなどが栽培されています。

白ぶどうはリースリングとシャルドネが注目され、その他ソーヴィニヨン・ブラン、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリなどが栽培されています。

②「コロンビア・コージA.V.A.」

オレゴン州との境に沿って東西100kmにもわたるコロンビア渓谷にあるA.V.A.。東西に広いため東側は大陸性気候で雨量が少なく、西側は雨量も多い。

③「ピュージェット・サウンドA.V.A.」

カスケード山脈の西側に位置する唯一のA.V.A.です。山脈にぶつかる前の湿った風は吹き抜けるため、雨量の多い穏やかな海洋性気候。

 

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このワイナリーはワシントンを牽引しています

ワシントン州で最も古い歴史を持つワイナリー「シャトー・サン・ミッシェル」。1967年にそれまでのワイン醸造法から近代的な醸造法への転換で注目を集めるようになります。

そして1974年にリリースしたリースリングがロサンゼルス・タイムス誌主催のテイスティングで最高評価を受け、一躍その名は全米に知れ渡ることになります。

その後もイタリアのワイナリー「マルケージ・アンティノリ」とのコラボレーションで1995年にリリースした「コル・ソラーレ」(=イタリア語で太陽の丘)は「ワシントンのオーパス・ワン」という異名もある世界的な評価を得ています。

また、ドイツ最高のワイン醸造家の1人「ドクター・ローゼン」はあるとき、シャトー・サン・ミッシェルの造ったワイン「コールド・クリーク・リースリング」に出会い、その味わいに衝撃を受けリースリングを使ったコラボレーションでのワイン造りを申し出、1999年に「エロイカ」(=ベートーベン交響曲第3番「英雄」にちなんだ名前)をリリース。

このワインは世界的なワイン評価誌ワインスペクテイターにおいて「Top 100 Wines of the Year」に5年連続輝くなど、ワシントン州にとどまらず全米を代表するワイナリーとして牽引しています。

ワシントンのワイン 味わいの特徴

「ワシントン:白ワインの特徴」

白い花、青りんご、マスカット、桃、レモンにグレープフルーツ、ライチのような香りほんのり甘味も感じます、ぴちぴちとした酸、ミネラル感もあり清涼感ある果実味です。

「ワシントン:赤ワインの特徴」

スミレ、ブラックチェリー、カシス、チョコレートにラズベリーやイチゴ、たばこなどの香り、なめらかなタンニン、ふくよかで熟したジャミーな甘味を感じる果実味、ほんのりスパイシーな印象もあります。

ワシントンのワイン。産地の特徴 まとめ

1.全米第2位のワイン生産量を誇ります

2.同じ西海岸でもカリフォルニアとは全く違います

3.A.V.A.は13ありますが、大きく分けて3つ

4.シャトー・サン・ミッシェルとその代表ワインは覚えましょう

 

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